奥の細道



コロナ以前へ「戻ろう」とする人たちと、コロナ時代の先へ「進もう」とする人たちと、その狭間でうろたえ、迷い、留まる人たちと。


月日は二度と還らぬ旅人であり、行きかう年もまた同じ。
船頭として舟の上で人生を過ごす人、馬子として愛馬と共に老いていく人、かれらは毎日が旅であり、旅が住いなのだ。
(奥の細道)

川の流れは絶えることはなく、それでいてそこを流れる水は、同じもとの水ではない。
川のよどみに浮かぶ水の泡は、一方では消え、また一方ではできて、そのまま長くとどまっている例はない。
世の中に生きている人とその人たちの住処もまた、ちょうどこの川の流れや水の泡のようなものである。
(方丈記)


できるなら、僕もそうでありたい。
もめんノート



今夜はお通夜、明日は告別式。
身近な人の死は、自分の残された時間について考えさせられる。

亡くなったあとはあとで、色々と残された問題や課題も多い。
やはり故人が、生前のうちに色々と決めていってもらえると助かります。

ところで、我が故郷の松阪市には、500年続く伝統工芸「松阪もめん」がありますが、この「もめん」と、残された家族で揉めないでね、という意味の「揉めん」を掛け合わせた、「もめんノート」という名のエンディングノートがあるそうです。

ただ、「死人に口なし」とはよく言ったもので、本人は家族葬を希望していたのに、結局大掛かりな葬儀になってしまうパターンって多いので、エンディングノートにどこまでの効力があるのかは不明ですが、それでも、何かしらの意志は示しておいたほうがいいのかなと思います。


上の娘は、「もめんノート」と聞いて、「おっぱいが揉めん」と言ってひとりでゲラゲラ笑い転げてますが、こういう強靭なメンタルの持ち主はきっと後悔のない人生を送るのでしょうね。

羨ましい。


▼伊勢新聞の記事
https://www.isenp.co.jp/2020/09/01/49445/
たろか星人



松阪牛などで有名な僕が生まれ育った愛すべき故郷、三重県松阪市。
そこで暮らす松阪人を、別名「たろか星人」と僕は呼んでいる。

「教えたろか?」
「代わりにやったろか?」
「反対側、持っとったろか?」
「後で持ってきたろか?」
「お茶いれたろか?」
「呼んできたろか?」
などなど、悪意はないだろうが、とにかく押しつけがましい。

その後、25歳から東京で暮らすようになって、その違いに衝撃を受けた。

「お教えしましょうか?」
「私が代わりましょうか?」
「反対側、持ってましょうか?」
「後で持ってきましょうか?」
「お茶いれましょうか?」
「呼んできましょうか?」
などなど、とにかく押しつけがましくない。
なんてスマートなシティなんだと、よし、これからは俺も真似をしよう!と心に決めた。

それから24年後、三重県へ戻ってきて8年が経った今、ついつい僕も、「たろか星人」がひょっこりはんする。
もちろん悪意などないが、慣れというのは本当に恐ろしいものだ。
皆さんも、お気をつけて。
ドS度診断
息抜きにネットで見つけた「ドS度診断」。
項目に何個当てはまるか、だそうで、見事に全問パーフェクトで当てはまり、「真性のドS」との診断。

もちろん、とうの昔から自覚しております。
さらに、うお座の人にはドM気質の方が多いようで、僕とは相性がいいそうです。

うお座の方、お友達になりましょう(笑)。
伝統と発展



ファッションには縁もゆかりもない人生を送ってきたし、まるで興味もない僕が、「VOGUE」を定期購読していることはこれまでにも何度かお伝えしてきた。

思うにファッションとは、カルチャーや時代のメッセージを伝える最も優れたメッセンジャーだと思う。

昨日もネットニュースの中で、シースルーは、多くの人が「自己開示(見られたい)欲」を求めている時代に流行する、とあったことからも、その時代の匂いや情緒を色濃く反映しているものなのだなと、ど素人の僕のものすごく浅い考えだと思うけど、そう感じる。

折しも、今号のVOGUEのテーマは「TRADITION AND PROGRESS/伝統と発展」。
カバーには、「伝統は可能性の宝箱」とある。

いつも楽しみにしている編集長のコラム欄には、「伝統があるからこそ進歩もある。(中略)人こそが伝統をつなぎ、新たな伝統を紡いでゆく存在である。」と書かれていた。

ファッションが「時代」を映す鏡であるなら、ファッションが伝統技術や伝統工芸からいまだに多くのことを学び得ようとしていることに心が躍る。
伝統工芸の再興を夢見る僕にとって、ファッションは多くのヒントを与えてくれる。
出来ればその流れで僕の服のセンスも向上すればいいんだけど、残念ながらそれは別の問題のようだ。

以前、ネットで、VOGUEは商業主義の三流雑誌だと言うコメントを見たことがある。
VOGUEが三流なのか、では何が一流なのかは僕にはさっぱりわからない。

学びの種は無限なのだから、VOGUEからでも、町内誌からでも、学べることはたくさんある。

例えば今号のVOGUEの中で、色々な伝統工芸品を、種類別ではなく、ポップ、ナチュラル、ミックス、モダンなどのカテゴリーで分けて紹介していた。
これは、伝統工芸のお店を作る際にも大いにヒントになると思う。

松阪木綿か伊勢型紙か、ではなく、ポップかモダンかで分けてご紹介することで、新たな魅力の発見に繋がるかも知れない。
まあ、そんな単純なものではないとお叱りを受けるかも知れないけど、それぐらい単純にすることで見えてくることもきっとあると思う。
価値があるなら、未来はある。



昔から、それこそ子どもの頃から、家に余ってる材料で時々何か作る。
今時、安くてもっとかっこいいものがいくらでも売ってるけど、できる限り自分の手で作りたい。
プロじゃないから上手ではないけど、「自分の手で作ること」は大切にしたいと思う。

僕にとっては、パソコンでデザインするのも、DTMで音楽を作るのも、大工道具で何かを作るのも、全て同じ感覚。
料理は一切できないけど、20年以上髪の毛も自分で切ってるし、ガス以外の工事は全て自分で行える。

だからこそ、職人をリスペクトする。
彼ら彼女らが生み出す匠の技と至高の品々に大いなる憧れを抱きながら、下手くそな自前の家具を、でも心から楽しんで作る。
伝統工芸に心が惹かれるのは、下手くそな自分だからこそ実感するモノづくりの素晴らしさと大変さが伝わるから。

匠の技を途絶えさせてはいけない。
伝統工芸でインターネットはできないし、伝統工芸で4Kの動画は撮れない。
でも、だからこその価値がそこにあるはずだし、それを感じられるうちは、自分は大丈夫だと信じることができる。

日々、妄想はどんどん広がる。
三重県の伝統工芸と職人の技が生み出す品々だけを売るショップを開きたい。
でも決して、いかにも伝統工芸です的な空間ではなく、一方的な情報や歴史の押し売りショップでもない。
職人の匠な技を、おもちゃや雑貨に変えただけのお店でもない。
伝統工芸の雰囲気だけを売るお店でもない。
時代錯誤なコンセプトショップでもないし、レトロを売りたいわけでもない。

伝統工芸にそこまで興味がない人も、時々行きたくなるお店。
職人たちと共に生み出す、時代の感覚を宿した新しい魅力的なプロダクト達。
環境に配慮した取り組み。
そこに行くことが、そこにいることが、そこで商品を買うことが、そこの商品を持っていることが、ほんの少し誇らしげで、ほんのちょっと心地よくなるお店。

伝統工芸界のMITメディアラボ的な役割も担いたい。
最新技術がふんだんに使われているお店。
売り方や買い方も、新しい仕組みがあるお店。
アーティストとのコラボ等を企画したり、新たな製品の制作を依頼して、それぞれの伝統工芸をアップデートしていきたい。
そこで働くスタッフは、商品の販売員であると同時に、伝統工芸を未来へと繋げていくための研究員であり、自らが革新を起こすクリエイター。
そのための教育や指導を積極的に行っていく場所。

大切な人を連れていきたくなるお店。
大事な人へのとびっきりの贈り物が見つかるお店。
お子さんも入れるお店。
知識と知性が身につくお店。
いつも新しい発見があるお店。
人の温もりや暖かさを感じられるお店。
視野が広くなるお店。
ゴミが出ないお店。
町の自慢になるお店。
値引きやセールをしないお店。
色々な体験ができるお店。
背筋をちょっと伸ばしたくなるお店。
いつも清潔なお店。

大好きな人と、一緒に行きたいお店。
大好きな人が、よく行くお店。
そんな、三重県の伝統工芸だけを集めたショップを作りたい。

31年前の旧車に乗りながら、最新のガジェットも大好き。
MacもiPhoneも使うし、WindowsもAndroidも使う。
白黒映画も大好きだし、最新のSF映画も見逃さない。
そんな僕だからこそ作れる、伝統工芸のショップがきっとある。

でも多くの人が、そんなお店は作れっこないと言う。
作れても続けていけないだろうと言う。
そんな事業に誰も手を貸さないし、一番手を出してはいけないジャンルだ、と教えてくれた人もいる。

ほんとにそうなのかな。

下手くそな僕の家具も、愛着を身にまとい、今日も僕の役に立ってくれている。
その健気な姿を一度でも愛してしまったら、それは一生の宝物になる。
この気持ちには、きっと価値がある。
価値があるなら、未来は必ずあるはずだ。

いや、未来こそ、自分たちの手で作るもの。
モノづくりは、ミライづくりなのだ。
ビジョン



経営にビジョン(理想)は欠かせません。
ですが、ビジョン(理想)を考えるのが苦手だという経営者の方は意外と多いです。
思うに、それはきっと「妄想」への抵抗感があるのではないかと思うんです。

例えば、「どこでもドア」は漫画の世界の話であって、本気で語るものではない、と思いがちだったりしますが、でも、全ての未来は、「あんなこといいな。できたらいいな。」から始まるものです。

妄想を語ると、それを笑う人がいます。
その積み重ねから、妄想を話すこと、そもそも妄想すること自体が恥ずかしいことだと思う人が増えてしまったのかも知れません。

僕はスタッフにもクライアントさんにも、「全ての可能性を否定しないこと」と言い続けてきました。
多くの人が、すぐに「それはない」と色々な可能性をすぐに否定してしまいます。
でもそれでは、当たり前のものしか生まれません。

例えば僕は、毎日黒い服を来て、31年まえのグレーのサファリに乗って、現在の家の内装も基本グレー。
そんな僕が新しく家を建てるとして、そんな僕に、もしも建築家が「外壁はピンクにしましょう!」と笑顔で言ってきたとしたら、普通なら食い気味で「あり得ない!」と即刻却下するでしょう。
でも、最終的には選ばなかったとしても、まずは否定しないこと。

実際にピンクにしたらどうなるのか。
悪いことは大体創造がつくけど、良い面があるとしたら、それはどんなことだろう。
この僕にピンクを進めてきた建築家の狙いは何だろう。
そうやって、全ての可能性をまずは否定せずに受け止めてみる。
そうすることで、なぜ僕は黒い服ばかり着るのか、なぜグレーが好きなのか、僕は何を求めていて、何を欲しているのか、その理由は何なのか、そうやって、解像度がどんどんあがっていって、自分のことがもっとよくわかってくるし、それをどんどん言語化できるようにもなっていきます。

人が想像できることは、人が必ず実現できる。
(ジュール・ヴェルヌ)

ビジョン(理想)を思い描くことは決して怖いことではありません。
だからもっと自由に妄想しましょう。
あっでも、ビジョン(理想)も大事ですが、「現在値(地ではありません)」を正しく把握することはもっともっと大事です。
これについてはまた改めて。
ブランディング



ずいぶん前から、打ち合わせの時は決まって、どこに向けて売るか、ターゲットはどんな層だ、という話も大事だけど、その前に、この子(商品だったりサービスだったり)に一番似合う服はどんな服なのかをちゃんと考えましょうよ、という話をいつもする。

つまり、マーケティングも大事だけど、それ以前にもっとブランディングを大切にするべきだと、すいぶんと前から言い続けてきました。
もちろん、マーケティングがダメと言っているわけではなく、マーケティングをしてからブランディングではなく、これからはその逆の順序のほうが時代に合うのではないか、というのが僕の考えでした。

ですが世の中は、どこもかしこもマーケティング主導で進んでいるので、はいはいと相手にされないことが多かった。
でも、こんなやり方がずっと続くわけがない、と本気で思っていたので、飽きも懲りもせず、そう言い続けてきました。

そして今、その想いはより一層強くなっている自分がいます。
ただし、「ブランディング」を間違って捉えているデザイナーさんも企業さんも多いのが日本。
だから今いち効果が出ない、と思われてしまうのかも知れません。

ちゃんとブランディングすれば、必ず効果が出る。
僕の実績の中にも、まずはブランディングをちゃんとやってから、そのあとでマーケティングを実践して、売り上げが3倍にも4倍にもなった商品がいくつもあります。
大切なのは、ブランディングとマーケティングのバランスと順番とタイミング。
これからの時代は特にそうだと感じます。
だからこれからも、飽きも懲りもせず、言い続けていきたいと思います。
2021.10.16 09:46 | Permanent Link | 日記・デザイン
絶空半蔵



三重県を代表するお酒のひとつ、大田酒造さんの「半蔵」。
その半蔵と三重問屋のコラボ商品「絶空半蔵」のラベルをデザインさせていただきました。

半蔵といえば忍者の服部半蔵。
その服部家の家紋にもなっている2本の矢をちょっとデフォルメ。

絶空半蔵は、温度管理が難しく、手間暇のかかる伝統的な木桶で丁寧に作られたお酒。
シンプルなラベルですが、飲んだ時の味の印象とラベルのデザインの印象が一致することを心がけて、すっきりしゃきっと、でもなめらかで爽やかで奥ゆかしい感じ、なデザインにしました。

ぜひに。
2021.09.28 04:21 | Permanent Link | 日記・デザイン
unfe



乳がんの手術などで失ってしまった乳輪・乳頭を、皮膚に色素を注入することによって再建する技術を、パラメディカル・アートメイク、と言う。
乳輪・乳頭以外にも、乳房の再建、外傷、火傷、皮膚疾患、白斑などの、手術では再建が困難な治療をアートメイクの技術を用いて行う最先端の治療方法だ。

この分野に15年以上も前から取り組んでいる業界の先駆者が、築地育美さんという三重県津市出身の女性。
今でこそ、乳輪・乳頭の再建において、日本で最も多くの症例を持つ業界トップの技術力を誇る彼女だけど、ここまでの道のりは決して平坦ではなく、今までに重ねたパイオニアならではの苦労は数知れない。

この業界へ進んだきっかけは、当時、看護師として担当していた19歳の女性が乳がんの手術で乳輪・乳頭を失い、「こんなんじゃもう、一生彼氏もできへんよなあ・・・」と寂しく下を向いて泣いている姿を見たこと。

どんな言葉を、どうかけてあげればいいのかわからず、彼女自身も、自分の無知に苦しんだ。

こんな辛い思いをする女性をひとりでも減らしたい。「生まれたままの姿」ではなく、「自分らしくいられること」こそが「ありのまま」であり、何かが欠けているのではなく、それも含めて自分らしさなのだと、誰もが自然に思える社会を実現したい。そのためにも、まずは暗闇から抜け出して、自分のことをもっと好きになって、心から笑顔になれる日常を取り戻してほしい。そう心に決めて、彼女の挑戦がはじまった。


今回僕は、共通の知り合いから紹介を受けて、彼女が立ち上げる乳輪・乳頭の再建を専門で行う新ブランド「unfe(アンフェ)」の立ち上げをプロデュースすることになった。

まずはネーミングとロゴを制作。
彼女の話をたくさん聞いて、僕の頭に浮かんできたキーワードは、
「unfearing(恐れない)」
「unfeigned(誠実に)」
「unfenced(邪魔するものはない)」
「unfetter(自由に)」
「unfettered(縛られない)」
など。
そこから、それらに共通する「unfe(アンフェ)」をブランド名とした。

ロゴマークは、「u」「n」「f」「e」の文字を組み合わせ、それを左右対称とすることで、右と左、本物の乳輪と見分けがつかないほどの高い技術力を表現した。
ロゴが少し傾いているのは、逆風や向かい風にも負けないしなやかさを表現したかったから。


乳輪・乳頭は再建できる。
そういう選択肢があることを、もっと多くの人に知ってほしい。
そのために、今後もやらなければいけないことがたくさんあるけど、クリエイティブの力で、彼女のこの偉大なる挑戦を支えていければと思う。

unfe medical design
https://unfe.jp
2021.09.26 01:24 | Permanent Link | 日記・デザイン
みらい図鑑



TOKYO FMさんの「みらい図鑑」のコーナーで、松阪もめんと、丸川商店オリジナルの10年日記帳「日事記(ひじき)」について、少しだけしゃべらせていただきました。

放送は、9月25日(土)午後13:55~14:00です。
TOKYO FM系列の全国38のFM局でお聴きいただけます。

短いコーナーですが、お時間が合う方はお聴きください。
以下のサイトにアーカイブが残るそうですので、聞き逃した場合はご覧ください。
https://www.tfm.co.jp/miraizukan/

ちゃんとしゃべれてたかなあ。
三重弁出ちゃってるかなあ。
まあええか。

ということで、よろしくお願い致します。
マリ・クレール





丸川商店の商品を取り扱っていただいているフランスのAchikochiさんのご厚意により、フランスのマリ・クレールのウェブマガジンにて松阪もめんをご紹介いただきました。

Achikochiさん、ありがとー。
日事記



2006年から2年間の試行錯誤を経て、2008年に販売を開始した丸川商店オリジナル10年日記帳「日事記(ひじき)」。

先日の「マツコの知らない世界」にて、KREVAさんがご紹介してくださった影響はまだ続いています。
番組内で商品名(日事記)が出たわけでも、KREVAさんが口にしたわけでもないのに、メディアってすごいですね。

ネットで検索してみると、「マツコの知らない世界」の放送以降に出来たであろう日事記に関する新しいページをいくつか発見。
どれも好意的な内容を書いていただけているので、スタッフ一同、感謝感激の日々です。

発売当初から多数のショップさんに日事記を卸して販売していただいていますが、その中のひとつ、ZUTTO(東京)さんの日事記の紹介ページは何回見ても飽きません。

メーカーである丸川商店の日事記のページの何十倍もの情報量(笑)。
本当に使ってくれているんだなあ、という熱量がちゃんと伝わってきます。

ZUTTOさんの日事記のページにも書いてありましたが、日事記は1日1行のスタイルなので、気負わずに続けられる日記です。
ですが、無理に毎日、何かを書かなければと思う必要もありません。
何も書かない日があったとしても、それもよし。
次の年にその空白を目にして、何も書くことがなかったのか、それ以外の理由か、いずれにせよ、そこに自分は確かに存在していたし、そうやって歩いてきた道を思い返すことはできます。

人は忘れることで生きていける。
人は振り返ることで生きかえす。

日事記が大切にしている「本の佇まい」は、日事記がただの記録帳ではなく、そこに綴られていくものは、「自分の人生=物語」だと考えるからです。

世界でたったひとつの、あなただけの10年物語。
コロナや災害で悲しいニュースも多いですが、10年後はきっと世界中が笑顔であふれる日々でありますように。


▼ ZUTTOさんの紹介ページ
https://www.zutto.co.jp/blog/category/howtouse/704

▼日事記の紹介サイト
https://hijiki.storeinfo.jp/
朝・天香春梅プレミアム



新たな食卓の定番酒として昨年誕生した三重県の地酒「朝(あさつ)」の梅酒シリーズ「朝・天香春梅(あさつ・てんこうしゅんばい)」に「プレミアム」が加わりました!

もともと梅酒好きな僕は、今まで色んな梅酒に手を出してきましたが、天香春梅プレミアムはお世辞抜きに別次元の美味しさ!
三重県産の梅だけを使っているのも、三重県民としては誇らしい。

梅酒好きの方、朝・天香春梅プレミアム、絶賛発売中です!


【お問い合わせ先】
(資)早川酒造部(三重県三重郡川越町)

【特約販売店】
マスダ(津市)
ナガタヤ(伊賀市)
リカーショップヒラオカ(伊賀市)
酒のあおき(伊勢市)
田所酒販(伊勢市)
べんのや酒店(志摩市)
KANPAIISESHIMA(志摩市)
マツコの知らない世界



2021年8月31日放送の「マツコの知らない世界」にて、HIPHOPアーティストのKREVAさんより、丸川商店の10年日記帳「日事記(ひじき)」をご紹介いただきました。

近年、日記をつけることによる身体や生活へのメリットが世界中で言われるようになり、さらに、ステイホームの影響もあってか、日記をはじめる人が増えていると聞きます。

2008年にリリースした丸川商店の日事記は、自分が欲しいと思える日記帳がない、だったら作ろう!と、勢いだけで作った商品でした。

10年分の今日を記していくこのスタイルは、当時ではまだ珍しかったように思います。

KREVAさんがおっしゃった、「365日日記」というフレーズがすごくチャーミングだったので、僕もこれからはこの「365日日記」というフレーズを使わせていただこうと思います。

これからも、真摯にモノづくりを続けていきたいと思います。
KREVAさん、そして僕と同い年のマツコさん、ありがとうございましたー!

▼日事記
https://hijiki.storeinfo.jp

▼丸川商店
https://www.mrkw.jp
例えば、捉えなおす。
例えば、捉えなおす。

58+24は、60+22と同じ答え。
自分にとって都合のいい問いに変えてやる。
そうすれば数字を嫌いにならなくてすむかもしれない。

デザインで問題を解決するときも、その問題を、自分の都合のいい形に捉えなおしてみる。
それは、形や色やジャンルやタイミングかも知れない。
とにかく、楽に対処できるものに置き換える。
そうすれば、解決のアイデアも出やすくなる。

苦手なものを、がんばって乗り越えるのも大事だけど、得意なものに捉えなおすことも、時には大事。

「問い」を捉えなおす。
「問い」を再設計する。

教科書やマニュアルはいったん閉じて、こうじゃなきゃって思いこみも捨てて、有名デザイナーや有名ブランドの例はこの際無視して、肩の力を抜いて、深呼吸して、上手くやろうとせずに、楽しんでできる方法を考えてみる。

デザインは楽しい。
デザイナーも、ノンデザイナーも、デザインが「わかる」人が増えたら、世界はもっと素敵になると思う。
49歳の誕生日



本日2021年4月24日、無事に49歳の誕生日を迎えることができました。

順風満帆とは程遠い49年間でしたが、遠回りをしてきたおかげで、様々な景色や風景に触れることができたかなと思います。
40代最後、という意識はあまりなく、50代の素敵なお兄さんお姉さん達がまわりにたくさんいるので、むしろ50代への日々が楽しみです。

子どもたちへのデザイン教育をはじめて6年目になりますが、授業の中で必ず伝えていることが3つあります。

1)想像できることは実現できる。だから最後まであきらめない。
2)したことの後悔より、しなかったことの後悔のほうがずっと辛い。だから失敗を恐れずに挑む。
3)素敵な恋の想い出と学びは、人生最後の日まで自分を支えてくれる。だから大いに恋して、大いに学ぶ。

これらは全部、僕自身の失敗と後悔から得た教訓であり、今でもずっと自分に課している課題でもあります。

40代最後の年。
そして50代へ。
これからも大いに学んで、目一杯に楽しみたいと思います。


世界中の4月24日生まれの人へ、誕生日おめでとう!
大切な人がそばにいるなら、今すぐ抱きしめよう。
逢いたい人がいるなら、今すぐ走り出せ!

産んでくれた両親に、心から感謝。
ありがとう。
簡素・質素



最近、「簡素」や「質素」という言葉の味わいや意味や価値が、ここ数年ですごく変わってきたなあと感じます。

かつて「簡素・質素」というワードは、貧乏くさい、とか、安っぽいとか、どこかネガティブな印象で語られることが多く、そこに「シンプル」というキラキラワードが、「簡素・質素」ではない、もっと洗練された、静寂や奥深さ、鋭さ、なめらかさなどの上質感を身にまとって来日してきて、それが一気に広まっていきました。

ただし、僕もシンプルなものが大好きですが、ここ数年のデザインの流れを見ると、シンプルの本来の意味とはかけ離れているのではないか?と疑問に思うデザインが散見されるようになり、よくわからず使っているデザイナーも多いように感じて、残念に思うことが増えてきました。

そんな中で、かつてはネガティブな印象だった「簡素・質素」という概念が、かつてのそれとは意味も解釈も味わいも手触りも耳障りも変化して再注目されるようになり、度を越えて道を外れた「シンプル」に警鐘を鳴らす存在のように感じるのです。

さらに言えば、「わびさび」や「用の美」ともニュアンスが微妙に違う気がして、なんていうか、もっと大きい視点で捉えるべきテーマなのではないでしょうか。

つまり、簡素であり質素であることは、これからの時代においては決してネガティブなことではなく、その言葉の奥には、「モノのあるべき姿」が宿っていて、時代が何週かして、簡素でいい、質素でいい、ともっと堂々と言ってもいいというか、シンプルよりももっと硬派で大切でかっこいい存在として語ってもいい時代になってきたのではないか、と思います。

これからの「簡素・質素」。
よくよく研究して、見極めてみたいテーマです。
月が綺麗ですね



前回、僕が主宰しているデザインスクール「WIPE ACADEMIA」で、ここ数か月にわたって「知性(創造的知性)」について学んでいる、ということを書きました。
俗にいう、「何を言うかが、知識。何を言わないかが、知性。」であるならば、「何をデザインするかが、知識。何をデザインしないかが、知性。」とも言えます。

今回はせっかくなので、特別に、実際にレッスンで使用した題材をもとに、皆さんとも考えてみたいと思います。
紙とペンをご用意いただき、「走っている人」の絵を描いてみてください。
上手下手は関係ありません。
構図や書き方などは自由です。


ここでのポイントは、「何を描けば、走っている、と見えるか」です。
多くの人は、横線をシャシャっと描いて、進んでいる様子を表現したり、汗が飛び散っている様子を描いたりして、走っている、と伝えているのではないかと思います。
ここまでは、「知識」です。

では、知性とは、「何を描かないか」なので、例えばシルエットだけで表現したり、止まっている人の前を何かが高速で横切った様子を描いて、見えないけど走っている人の存在を伝えようとしたり、つまりは、走っている人を描かないで、走っている人の存在を描く、ということだと言えます。
よく、「風」を表現する、あれです。

夏目漱石は、「愛してる」という言葉を使わずに、「月が綺麗ですね」という言葉で表現しました。
歌手のさだまさしさんの歌には、そのことを言わずに、そのことを伝える、という手法がたくさん見られます。
これらはまさに、知性である、と言えそうです。

もちろん、知性は知識がないと生まれないので、知識量はすごく大事です。
「知識」に命を吹き込み、熱量を持たせ、情緒豊かに、想像力を刺激する、それが知性なのだと思います。

「WIPE ACADEMIA」は、デザイナーだけのためのスクールではありません。
実際に、デザイナー以外にも、女性経営者や子育て中の女性の方もいらっしゃいます。
デザインは、デザイナーだけのものではありません。
この世の中で、デザインに関係のない人も場所も存在しません。
子育てでも、子どもに「何を言うか」ではなく、「何を言わないか」を実践することで、子どもの自発的な行動を促す効果が期待できます。
会社経営者の方であれば、社員教育にも応用できるでしょう。
「デザイン」は、目的ではなく、それぞれの目的を達成するための、最適な手段なのです。

次回のアカデミアでは、さらに知性を深く掘り下げ、知性を得るには、そしてそれをどう活用するべきかを学び、センスを磨くレッスンを行いたいと思います。
2021.04.20 06:15 | Permanent Link | 日記・デザイン
知性



僕が主宰するデザインスクール「WIPE ACADEMIA」では、ここ数か月、ずっと「知性(創造的知性)」をテーマに学んでいます。

日本を代表するファッションデザイナーのおひとり、菊池武夫さんも、「センスを磨くには、知性しかない」とおっしゃっているように、これからのデザイナーには、知識以上の知性が、これまで以上に不可欠だと思うのです。

よく、何を言うかが知識、何を言わないかが知性、とか言いますが、要は、物事や状況や関係性の本質を見事にズバリと見抜く力であり、何をして何をしないかの判断が適切であり、心に届くラブレターを書くためになくてはならないもの、です。

創造的知性が高い、ということは、問題提起や問題解決におけるデザインスキルが高い、ということと同じ。
「時には●●」とか「ここは敢えて●●」という立ち振る舞い方が絶妙で、頭の回転スピードも速く、かつ柔らかい。

菊池武夫さんのセンスや知性には一生かかっても到底追いつけませんが、アカデミア生たちと一緒に、もう少し、知性について学んでみたいと思います。
2021.04.19 05:42 | Permanent Link | 日記・デザイン