unfe



乳がんの手術などで失ってしまった乳輪・乳頭を、皮膚に色素を注入することによって再建する技術を、パラメディカル・アートメイク、と言う。
乳輪・乳頭以外にも、乳房の再建、外傷、火傷、皮膚疾患、白斑などの、手術では再建が困難な治療をアートメイクの技術を用いて行う最先端の治療方法だ。

この分野に15年以上も前から取り組んでいる業界の先駆者が、築地育美さんという三重県津市出身の女性。
今でこそ、乳輪・乳頭の再建において、日本で最も多くの症例を持つ業界トップの技術力を誇る彼女だけど、ここまでの道のりは決して平坦ではなく、今までに重ねたパイオニアならではの苦労は数知れない。

この業界へ進んだきっかけは、当時、看護師として担当していた19歳の女性が乳がんの手術で乳輪・乳頭を失い、「こんなんじゃもう、一生彼氏もできへんよなあ・・・」と寂しく下を向いて泣いている姿を見たこと。

どんな言葉を、どうかけてあげればいいのかわからず、彼女自身も、自分の無知に苦しんだ。

こんな辛い思いをする女性をひとりでも減らしたい。「生まれたままの姿」ではなく、「自分らしくいられること」こそが「ありのまま」であり、何かが欠けているのではなく、それも含めて自分らしさなのだと、誰もが自然に思える社会を実現したい。そのためにも、まずは暗闇から抜け出して、自分のことをもっと好きになって、心から笑顔になれる日常を取り戻してほしい。そう心に決めて、彼女の挑戦がはじまった。


今回僕は、共通の知り合いから紹介を受けて、彼女が立ち上げる乳輪・乳頭の再建を専門で行う新ブランド「unfe(アンフェ)」の立ち上げをプロデュースすることになった。

まずはネーミングとロゴを制作。
彼女の話をたくさん聞いて、僕の頭に浮かんできたキーワードは、
「unfearing(恐れない)」
「unfeigned(誠実に)」
「unfenced(邪魔するものはない)」
「unfetter(自由に)」
「unfettered(縛られない)」
など。
そこから、それらに共通する「unfe(アンフェ)」をブランド名とした。

ロゴマークは、「u」「n」「f」「e」の文字を組み合わせ、それを左右対称とすることで、右と左、本物の乳輪と見分けがつかないほどの高い技術力を表現した。
ロゴが少し傾いているのは、逆風や向かい風にも負けないしなやかさを表現したかったから。


乳輪・乳頭は再建できる。
そういう選択肢があることを、もっと多くの人に知ってほしい。
そのために、今後もやらなければいけないことがたくさんあるけど、クリエイティブの力で、彼女のこの偉大なる挑戦を支えていければと思う。

unfe medical design
https://unfe.jp
2021.09.26 01:24 | Permanent Link | 日記・デザイン