おも校3周年


教育デザインのプロジェクトとして、2022年11月1日に開校した「地立おもしろい学校(おも校)」が、丸3年を迎えた。
早いものである。
早すぎて、何をしてきたのを思い出すのに少し時間がかかる。

石の上にも三年と言うが、転がる石には苔は生えない、の言葉の通り、おも校は、石の上に3年間じっと座っていたわけではなく、あちこちにぶつかりながらも転がり続けてきた3年間だった。
おかげで苔も生えず、角も削られて丸くなり、ずいぶんといい形に整ってきたのではないかと思う。

おも校の開校から今日まで、本当にたくさんの方々に助けていただいた。
その中でも特に、MさんとKさんには心から感謝をしている。

そんなお二人から、3周年の贈り物として、「ゴリちょ(ゴリラみたいな理事長の略)」と刺繍された素敵なハンドタオルを頂いた。

最初からずっと変わらないお二人の気遣いと心遣い。
この二人の女性がいなければ、おも校は立ち上がることすらできなかった。



3年の間、なんでもない古民家には、絶えることのない子どもたちと大人たちの笑い声があった。
叱られて泣いてる子もいれば、出来なかったことが出来るようになってうれし涙を流す子もいた。

おも校のスタッフが守らなければならないことのひとつは、子ども達がいつおも校へ来ても、いつもと変わらない僕らでいること。
今日は機嫌が悪いかな、とか、今日は大丈夫そうだな、とか、そんな思いをさせることなく、いつ行っても、変わらない、相変わらずな僕らで迎える。
大人の世界も色々あるので、簡単ではないけれど、おも校の子ども達との大事な約束。

おも校へ通う子ども達は、いわゆる「不登校」の子ども達。
少しつまづいてしまったかも知れないが、おも校へ通う彼ら彼女らの目は、世間一般のイメージとは違って、決して光を失ってはいない。

外の世界の光がまぶしすぎて、暗闇へと逃げ込んだとて、そこからもう一度、人生をデザインし直せばいい。
もっと自分を知って、もっと知識と経験を得て、今度はちゃんと作戦を立てて、コンパスと地図と道具と仲間を手に入れて、何度でも立ち上がって歩き出せばいい。


「装飾」はデザインではなくスタイリング。
デザインは、色んな「困った」を解決するための最良の道具。
そしてデザインは、転ばないためにあるのではなく、立ち上がるためにあるものだ。


おも校は、おも校と家庭がチームを組んで、その子に合ったプランを実行する形式ゆえ、親御さんたちのご理解とご協力が欠かせない。
さらに、親御さんたち自身が、「デザインの視点と考え方」を学ぶ学科も設けており、その授業に臨む際の親御さんたちの真剣なまなざしには、こちらの背がピンと伸びる思いだ。

よく学ばせ、よく遊ばせ、よく食べさせ、よく寝かす。
現在の社会においてはもはや当たり前ではなくなってしまった子育てにおける不変の礎。
子育てにも不登校にも、たったひとつの正解など存在しない。

だから悩む。
だから苦しい。
それでも、ゆっくりでも、転がり続けていくしかない。
親も子も、自分で自分をあきらめてしまったら、そこで終わってしまうのだから。



短いようで長いような、長いようで短いような、そんな、親御さんたちと子どもたちと僕らの3年間。
子ども達には、ひざっこぞうの土を払って、涙と鼻水を拭いて、でっかい空を見上げて、自分の未来をデザインしていってほしいなと思う。


小さな小さな学校の、大きな大きな挑戦と冒険。
MさんやKさんたちが一緒なら、この先もどんな困難も乗り越えていける気がする。


今日の日中は、知り合いだけの小さな3周年パーティーを開いた。
在校生だけではなく、おも校を卒業した子ども達も来てくれて、とても素敵な時間を過ごすことが出来た。
その日は、奥さんと長女と次女が用事で出掛けていたので、夜、ひとりで梅酒を飲んで再度お祝い。
おも校を作って本当に良かったなあと、改めて噛み締めた夜でした。


これからも、「おも(面・顔)」が「しろく(白く・明るく)」なる体験に満ちた学校であり続けたいと思います。

今後とも、末永く、おも校をよろしくお願いいたします。
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