痩せればモテる
風景を邪魔しないソーラーパネル
デザイナーはよく、クライアントの想いを形にすることが仕事だと言われますが、そこをゴールにしてしまうと変なものが生まれやすくなります。
やはり、その商品やサービスを利用する消費者のことや、それをもう使わなくなったあとのことを想ってデザインする必要があると思うし、それはつまり、僕らデザイナーが魂込めて作っていかなければいけないのは、やはり、「正しい風景」なのではないのかなあと。
今、クライアントの中に、お米屋さんがいらっしゃいますが、お米屋さんが見つめなければいけないのは、お米だけではなく、そのお米で炊いたおいしいごはんが生み出す、食卓における「正しい風景」であるはずです。
クライアントやお米だけを見たデザインと、その後の風景をちゃんと考えて作ったデザインでは、生まれてくるものに圧倒的な差があります。
そのことに気づいてもらうことからはじめなければいけないし、それはデザイナーの使命でもあると思います。
例えば、田舎では今、猛烈な勢いでソーラーパネルが増えてます。
ソーラーパネルのない、または、ソーラーパネルがまわりにない空き地を見つけるのは本当に困難になってきました。
ソーラーパネルは、間違いなく田舎の風景を邪魔します。
でも、太陽が作る電気は地球にとっても大切なこと。
問題は、ソーラーパネルが最初に計画されたその場に、「正しい風景」を理解しているデザイナーが関わっていなかったということ。
風景を邪魔しないソーラーパネルは作れたはずなのに、そうしなかった。
それが残念でならない。
田舎でがんばるデザイナーこそ、「正しい風景」とは何なのかを学ばなければいけません。
それを、クライアントにちゃんと説明できるスキルが必須です。
僕が主宰している、デザイナーのためのデザインスクール「ワイプ・アカデミア」でも、この、「正しい風景」とは何なのか、という課題を、門下生と一緒に学んでいきたいと思います。