ありがとう。



本日、2016年12月28日をもって、スタッフの大西がうちを卒業致しました。
これまで丸3年、前職の銀行員から全く畑違いのデザイン事務所に入社して、最初は慣れないことばかりで相当辛かっただろうけど、すぐにうちのエースに成長してくれた彼女。
彼女に聞かないと、僕ですらわからないことがたくさんあった。
何度も何度も助けてもらった。
この3年、彼女のおかげで本当に楽しく仕事をすることができた。

彼女がいてくれたおかげで、挑戦することができたプロジェクトがいくつもある。
彼女はデザイナーではないけれど、いつもずっと僕のそばにいて、一緒にデザインを見つめてきてくれた。
これだけは断言できる。
デザインとは何か、正しいデザインとは何であるかについて、そんじょそこらのデザイナーよりも彼女のほうがよっぽど正しく語ることができる。
そしてそうなれるまでに、どれほど彼女が努力をしてきたか。
言葉では言い表せないほどの不安や迷いや圧し潰されそうなプレッシャーを抱えながらも、彼女は目の前の道を最後まで自分の足で歩き切った。
そんな彼女を僕は心から尊敬しています。

また明日から、彼女の新しい日々が始まる。
時には迷い、不安になることもあると思う。
そんな時、うちにいたこの3年間の日々が、いつか花を咲かせる種のひとつになれたとしたら、こんなに嬉しいことはない。

「来る者拒まず、去る者追わず」が僕の生き方ですが、彼女がいなくなるのはとてもとてもさびしい。
それほどまでに、うちにとっては欠くことのできない存在でした。
だからこそ、大好きな彼女のこれからの人生を、心から応援していきたいと思います。

明日からはまた、2000年に独立した時と同じ、奥さんと2人だけの会社になります。
社名も体制も、すべてが原点へ戻る。
これは決して偶然ではないと思う。
もちろん、彼女がいなくなる寂しさはあるけど、でもその反面、また原点から始められることへのワクワクもある。
この出来事を大きな大きなメッセージだと受け止めて、またいちから、人生のデザインを楽しんでいきたいと思います。

新しい日々を歩き出した彼女と、また原点から歩き出そうとする小さな小さなデザイン事務所を、どうぞ見守ってやってください。

よろしくお願い致します。
今日のBGM



今日はなぜか、1日中ずっと松田聖子さんを聴いていた。
僕は同世代ではないので、同世代の人ほどの思い入れはないんだけど、なんか今日はずっと、聖子ちゃんでした。
ちなみにお気に入りは「Sweet Memories」。
松本隆さんの詞はやっぱりいいですね。
DBC 2016 2/5





本日、2016年度「DESIGNED BY CHILDREN ~デザインを手にいれたコドモたち~」の全5回のうちの2回目の授業が行われました。
本日のテーマは「反転」。
「紙」の「いいところ」と「ダメなところ」をボードに書き出し、最後に「いいところ」と「ダメなところ」を「反転」して、「ダメなところ」で出した項目を「よいところ」として無理矢理に発表してもらいました。

みんなそれぞれに想像力をフル発揮して、かなり無理矢理に、それこそこじつけ感満載の発表をしてくれて、苦悩の中にも楽しさが溢れた素敵な授業でした。

例えば、紙のダメなところとして「やぶれてしまう」と書いた子に、それを反転して、良いところとして理由を発表してもらったら、「小さく破けば捨てるときにかさばらない」という答えが返ってきたり、「指を切ってしまう」ことがダメなところだという子に、それを良いところとして説明してもらったら、「指を切るくらいに薄くすることができるし、薄くすることで出来ること(応用できること)がたくさん増える」という意見、その他、水に弱い性質のおかげでトイレットペーパーが生まれたり、などなど、まあ、ふざけた答えもたくさんあったけど(笑)、でも、正解を導くことが目的ではないのでそれでもOKです。

本日の授業の目的は、「物事を色々な角度から見る視点」を学ぶこと。
短所だと思い込んでることだって、見方を変えれば長所になる。
物事をくるりと裏返してみると、意外なことに気づけたりします。

様々な物事にも、それこそ自分自身にも当てはめることができます。
背が低い、足が遅い、天然パーマ、田舎に住んでる、イケメンじゃない、胸が小さい、などなど、誰もが何かしらのコンプレックスを抱えています。
でも、それだって見方を変えれば、必ず何かの役に立てるし、誰かにとってはすごくメリットのあることだったりします。
誰もがそういう視点を持てれば、相手の良いところを見つけるのが上手になるし、きっといじめもなくなるはず。
自分にも自信が持てるし、人に優しくすることができる。

商売にも当てはまります。
業績が落ちたとき、短所だと思い込んでいることが意外にもそうではないことなんてよくあります。

日本という国に最も欠けていて、最も必要なものが、想像力と創造力。
DBCの授業を受けた子達には、この2つをずっとなくさずに大人になっていってもらいたいなあと思います。
DBC 2016 1/5





2015年から始めているデザイン教育プロジェクト「DESIGNED BY CHILDREN ~デザインを手にいれたコドモたち~」も、今年で2年目。
本日、いよいよ2016年度の第1回目の授業が、三重県多気郡多気町の勢和小学校で行われました。

DESIGNED BY CHILDREN(DBC)のプロジェクトは、小学6年生達が、デザイナーの視点やデザイン思考をわかりやすく学び、そうして得た視点や思考を使って、自分達が住む町にある様々な問題(少子高齢化・空き家・獣害・農業の衰退・田畑の放棄地など)をどうすれば解決していけるのかを、自分達で考えてみること、そして、普段見慣れている、または見飽きている「何もない景色」の中にある、無数の「宝」に気づくこと、結果、自分達の町の良さを再発見し、誇りを持ち、ちょっとずつ良くしていくことなどを目指したプロジェクトです。

全5回にわたるデザインの授業。
1回目の今日のテーマは「解剖」でした。
それぞれの班で、目覚まし時計を解剖して、中にある部品をすべてボードに張り出し、どんな仕組みになっているのか、どんな部品が使われているのかを観察して、そこから感じたことや発見したことなどを発表しあいました。

本日の授業の目的は、「物事の向こう側を見る・知る」こと。
目に見えている表面上の姿だけしか見ていない日常のあらゆる物事にも、必ず「向こう側(中身)」が存在します。
時計の中、鉛筆削り機の中、パソコンの中、車の中、天井の中、床の中、食べ物だって、それこそ人間だって、見えている表面の向こう側に意識を向けて、より広く、深く、物事の状態を把握することを学びました。

子ども達は夢中になって時計を解剖していました。
ただ、そこは子ども達。解剖することだけに熱中してしまう子もいれば、ひとつひとつの部品に目をやる子もいます。
DBCでは、そこは強制も誘導もしません。
実は、5回のうちの1~4回は、最後の5回に向けた伏線になっていて、それぞれの点が、最後の5回目の授業の時に線になってつながります。
その時に、子ども達がどんな変化を見せてくれるか、それが楽しみでなりません。

さあ、来週は2回目の「反転」の授業です。
子ども達の、楽しくも苦悩する姿が目に浮かびます。
僕からの挑戦状に、どう応えてくれるのか、今から楽しみです。
まだ1回目が終わったばかりなので、もしも見学を希望される方はご連絡ください。