価値



世界中のあちらこちら、コロナショックの傷跡はまだまだ癒えない。
けど、色々と新たに発見したことも多かったと思う。

ある人は、今回のコロナは、自然界の浄化作用だと言う。
またある人は、いよいよ資本主義経済の崩壊が始まったと言う。
いずれも僕には、まだよくわからない。

わかるのは、世界が闇に落ちた時、僕らの仕事の「価値」もまた、ずずずーっと落ちていくってこと。
軒並みに新規仕事は延期か中止となった。
マスクの高額転売を擁護するつもりは1ミリもないけど、これもまた「価値」なんだなと思う。
高くても、それを求める人がいる。

山の上の自動販売機と、ある意味では同じ理屈だ。
ドローンの登場で運搬は格段に楽になったのに、それでも値段が下がらない。
ということは、山の上まで運ぶのが大変だから、だからジュースが高かったわけじゃないってことだ。
そこにある「価値」はただひとつ。
高くても、それを求める人がいる。


資本主義経済が崩壊したあとは「価値主義」へと変わっていくらしいけど、そもそも「価値」って何だろう、と改めて思う。
あくまでも資本主義経済をベースにして、そのうえで何をもって「価値」と定義づけるのかによっても答えは変わるけど、例えば、クリエイティブディレクターとかは技術よりもアイデアだけど、スタイリストやオペレーターは技術が全て。
でも、時給で計算してしまうと、仕事が遅い人のほうが報酬が高くなってしまう。

僕も最近、イラストを描く作業が増えたけど、僕はイラストがすごく苦手なので、ものすごく時間がかかる。
でも、だからといって、通常の仕事と同じ金額では算出できない。
なぜって、僕はイラストのプロではないから、プロのイラストレーターと同じクオリティの仕事はできっこない。
だから、プロのイラストレーターの10倍の時間がかかっても、10分の1のギャラが妥当だろう。
つまり、ものすごく効率も能率も割も悪い。
結果、つまりは僕のイラストは「価値が低い」ってことだ。

そもそも、コストダウンのために求められてしている作業。
求められてしている作業なら、本来はそこに価値があるはずなのに、でも価値が低い。
つまり、「あれ」が決定的に異なるんだ。

高くても、それを求める人がいる。
安いから、それを求める人がいる。

文字数は同じでも、そこにある「価値」には雲泥の差がある。

東京にいた頃と今とでは、仕事の単価がまるで違う。
それでも、仕事に向かう姿勢は同じ。
僕らの使命は、クライアントさんの仕事や商品の価値を最大限に引き出し、「高くても求められるもの」にしていくことだ。
それができて初めて、僕自身にも価値が生まれる。
場所はもう関係ない。
いや、ちょっとは関係あるんだろうけど、言い訳にしかならない。
自分の夢を叶えるには、誰かの夢を叶えてあげるしかないんだから。



今、外は強めの雨がずっと降ってる。
僕の価値は、ビニール傘か、それとももっと質のいいものか。
ただ雨をしのぐだけなら、そこに違いはあんまりない。
それでも、あえて質のいい傘を選ぶ人に、選んでもらえる傘にならないと。

安いから求められているだけなのだとしたら、とっとと足を洗わないといけない。
前を向きながら、でも同時に、引き際のこともちゃんと考えておこう。
コロナショックの傷に気休めの絆創膏を貼りながら、夜中の作業はまだまだ続く。
椅子に座りすぎて、お尻が割れそう。


道端に生えてる小さな花には、どれくらいの価値があるのかな。
そこに価値を見出す人とそうでない人の差は何なんだろう。
そんなことより、やっぱり、お尻が痛い。
そして、眠い。
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