分析



若かりし頃は、街の看板、有名デザイナーのポスター、いかした本の装丁などなど、それらを自分のパソコン上に再現し、色を変えてみたり、配置を変えてみたりして、デザインのコツや秘密、どうして最終的にこうなったのか、どのようにしてこの最終形に落ち着いたのかを、必死で探った。

貧乏デザイナーゆえ、パーツを組み合わせて自作したパソコンでの作業は困難の連続だったけど、とにかく必死だった。
「分析」と呼んでたこの作業によって、僕は「場数」を増やしてきた。
毎日毎日、それこそもう、数えきれないほど。


先日、ふと東横インの看板を見ていて、どうしてURLがロゴの上にあるのかが気になったので、かなり久しぶりに分析してみた。
結果的には、URLが下にあると、なんだか普通の目立たない看板になってしまった。

若いデザイナー達に「場数を踏んで経験値をあげろ」と言うと、仕事として「依頼」を受けて場数を踏んでいくものと理解するようだ。
だけど地方の案件だけでは全然足りない。
それじゃあなかなか経験値は上がらない。
そのことに気づいていない若いデザイナーが多いように思う。

「架空の依頼」を何十何百と積み重ね、(あくまでも架空だけど)NASAの仕事も3件こなした。
時には依頼人として注文をつけ、時にはユーザーとして批評もする。
スーパーに行って、自作したパッケージをこっそり並べて写真を撮って検証した。

確かに、暇だったのかも知れないけど、寝る間も惜しんで手と頭を動かしてきたことには自負もある。
今は、あの頃よりも忙しくさせてもらってる分、分析遊びをしてる暇はなかなかないけど、移動中や休憩中に頭の中でやることはある。
もう、癖みたいなものだけど、今の自分の現在地を把握し続けるためにも、必要な遊びだと信じてる。
コメント一覧
コメント投稿

名前

URL

メッセージ