tupera tupera 絵本の世界展

昨日、三重県立美術館にて開催されている、亀山達矢さん(三重県出身)と中川敦子さん(京都出身)の絵本ユニット「tupera tupera」の世界を体感できるイベント「tupera tupera 絵本の世界展」に家族と一緒に行ってきました。
もともと、僕も子ども達も彼らの絵本が大好きで、亀山さんが三重県の人だと知ってから余計に親近感を持ち、一度はミエノコのゲストとして取材を計画したこともありましたが、ここまで有名になってしまったらミエノコがお役に立てることはないので諦めた、という経緯があります。
会場に入ると、僕がもっとも観たかった、絵本を作るうえでの創作ノートや下書き、構想を練っている段階のメモなどがあり、そこでどういう会話が交わされて、どういうきっかけでアイデアがカタチを持って走り出したのかを妄想しながらじっと見つめていました。
他にも、今後の自分の活動においても参考になるものがいくつかあり、おおむねは満足したイベントでした。
さて、「おおむね満足」という、ちょっとトゲのある言葉には、僕なりの理由があります。
ダラダラとまた長く書いてもウザがられるのでポイントを絞りますが、まず思ったのは、多くの家族連れがそうであったと思うんですが、もっと彼らの絵本の世界観に没入できる体験や仕掛けを期待していたのに、それがすごく中途半端な状態になってしまっていたこと。
写真を撮るだけの「セット」だけでは、その世界に入り込んだ気分とはほど遠い。
長い列が後ろにあり、パシャパシャと急いで写真を撮ってすぐに交代、みたいな。
2つ目は、このイベントは大人に向けたものなのか子どもに向けたものなのか、おそらくはその両方を狙ったんでしょうが、それゆえにものすごく中途半端になってしまったこと。
例えば、丸く切り取られた装丁がどのようにして作られているのか、それを実際に作っている工場で撮影した動画が放映されていましたが、それをするなら、2つのモニターを用意して、それぞれを上下に配置して、上のモニターと下のモニターで同じ工程を同じタイミングで流しながら、でも、その作業をしている「人」を、上は普通の工場の人、で、下のモニターでは、人が着ぐるみかなにかをかぶって、tuperaっぽいキャラクターが作業している風に仕立てるのはどうでしょうか。
上下、といういうのは言うまでもなく、大人の目線の高さと子どもの目線の高さ。
この絵本は、パンダ温泉のパンダが作っているのかあ~って子どもには思わせてもいいと思うんだけど、やりすぎでしょうか。
3つ目は、美術館だから仕方ないのかも知れないけど、警備員達の「触らないで!」「この線から中へ入らないで!」のわりと大きな声があちこちから聞こえてくること。
あの声を聞くたびにイライラしました。
あくまでも僕の個人的な考えですが、tupera tuperaの世界観に触れたいから、もっと言えば、tupera tuperaの絵本の世界に入り込んだかのような体験を期待していたのに、触ってはいけない、入ってはいけない、そんなものだらけの世界は青ざめです。
もっと触らせなきゃダメ。
もっと体感させなきゃダメ。
壊されてもいいものをなぜ用意しておかないのかなあと。
美術館だからそれが出来ないんであれば、美術館でやらないほうがよかったと思う。
子どもはあの怖い声を聞く度に、「怒られた」というイメージを持ってしまうし、象徴的だったのは、「もう帰りたい」と途中でゴネだした子どもに「そんなこと言わないで!」と叱りつけるお母さんとますますつまらなそうな顔をする親子達の姿。
そりゃあそうなるよ、だって子ども達にとってはそれが本音だよ、って僕は思ってしまいました。
ほかにもいくつか気になることはありましたが、共通して言えるのは、「tupera tupera 絵本の世界展」と言うのなら、なんでこんな気持ちになって帰らなければいけないのか、このことを、ご本人達は知っているのか、もし知らないのであれば、なんてかわいそうなんだ、と思うこと。
tupera tuperaの絵本は大好き。
あの世界観は安心して子ども達にも見せられるし、帰りの車の中でも、子ども達と「おならのしりとり」をしてゲラゲラ笑っていました。
だからこそ、こういうイベントにはだいたいがっかりさせられる。
極端なことを言えば、このイベントは、あの世界観が好きな大人が、大人だけで行ったほうが、楽しめる、って感じ。
でも、それってすごく残念なことだと思う。
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