教育にお金をかける、とは?
文部科学省が2023年12月22日に公表した「令和4年度公立学校教職員の人事行政状況調査」によれば、精神疾患を理由に病気休職した教職員数は6539人で過去最多となった。

日本の教育現場では、いったい何が起こっているのか。

そんな中、学校の先生たちと話をするたびに、ブラック企業並にきつい仕事を、それでも子どもたちを想う気持ちを忘れずにいたいと言う純粋な瞳と想いに感銘を受ける一方で、やっぱりまだまだ、方法論よりも、精神論や感情論にかなり頼りきってる感が否めないなと感じます。

その中でも特に問題だなと感じるのは、どう考えても無理ゲーな状況の中で、それでもまだ教師のスキルをあげることに重きを置いている点。
もっともっと私たちも勉強して、教師としての腕をあげていかないといけないなと思っています、といえば聞こえはいいのかもしれないけど、すでにコップの水はとうに溢れているのに、そこにまだ何かを足そうとして、いやいやそれはさずがに無理があるんじゃないのかな、と思う。

コップの水がもうすでに溢れているんだから、もっとスキルを磨いて、そうやってその水をもっと良い水に入れ替えるんだとしても、それによってやっぱりこぼれてしまう水がかなりあるわけで、そのこぼれた水の親はたまったもんじゃないと思うんです。
だからまずやらなければいけないのは、コップの水を減らすことなんじゃないのかな。
余計な仕事や行事やPTAや指導要綱やらやら、削れるものやことはまだまだいっぱいあると思う。

コップの水があふれていることを見て見ぬふりしながら、それでもなお、水を足そうとしていること自体が、最も無責任なことなのだと気づいてほしい。
失われた信頼を取り戻すべく、という名目で、まださらに何かを足そうとするのであれば、日本の教育はますます疲弊し、壊れ、崩れ、明るい未来なんて夢のまた夢。
そのツケは、そのまままるごと、子どもたちに覆いかぶさる。

だからまずはコップの水を減らすこと。
そのうえで、教師のスキルに頼るんじゃなく、どの先生でも同じようなレベルで授業が行えるような仕組みや仕掛けを早急に作るべきです。
そのために、お金や人材や先進技術をつぎ込むことこそが、教育にお金をかける、ということだと思います。
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